2011(平成23)年5月25日、「山本作兵衛コレクション」697点が、ユネスコ「世界の記憶」(世界記憶遺産)に日本で初めて登録され話題を集めました。田川市石炭・歴史博物館及び福岡県立大学が収蔵する「山本作兵衛コレクション」は、筑豊の炭坑労働者であった山本作兵衛氏(1892-1984)が、自らの体験と記憶などをもとに描き始めた炭坑記録画に代表されます。作兵衛氏は60代半ばから、炭坑記録画を描き、確認されているだけでも1000枚を超える作品を残しました。
「山本作兵衛展」では作兵衛氏の初期作品を中心とした田川市石炭・歴史博物館所蔵の原画78点を、ユネスコ「世界の記憶」に登録後初めて東京で展示公開いたします。また、作兵衛氏が炭坑の仕事や暮らしを子や孫に伝えたいと折々に描き残した貴重な個人所蔵作品32点と、この度初めての展示公開となる東京富士美術館所蔵の原画4点もあわせて展示いたします。作兵衛氏が“未来に伝えたい”との情熱を持って描いた原画一枚一枚に宿る力強い筆の運びをぜひご覧ください。