世界記憶遺産に登録された「山本作兵衛コレクション」は、余白に解説文が書き込まれた炭坑記録画や日記などからなり、日本の炭坑業の急速な発展を記した独自性のある記録物です。
日本の産業が急速かつ自立的に発展し、その影響が国内だけでなく世界に波及した時代を描写した記録物として国際的な重要性を持っています。
作兵衛氏の炭坑記録画と日記は、作兵衛氏自身が炭坑の仕事に従事した筑豊炭田の炭坑が舞台となっており、同地区の炭坑が急速に変化する様子が描かれています。
当時は、夫婦の共同作業により主に人力で採掘運搬等の作業を行っていた従来の手法から、機械化した近代的な炭坑へと変革していく時代にありました。
当時の筑豊の様子を知ることは、その後さらに工業化が進む当時の日本だけでなく、産業革命が世界中に波及する歴史を知るための重要な手掛かりとなります。
(「世界記憶遺産登録推薦書」から一部抜粋)
山本作兵衛コレクションの構成
【田川市所有】
絵画 585点
日記 6点
雑記帳や原稿等 36点
【山本家所有、福岡県立大学保管】
絵画 4点
日記 59点
雑記帳や原稿等 7点
(合計) 697点
炭坑記録画「舟頭と陸蒸気」
→世界記憶遺産登録推薦へ(登録までの経緯)