田川市内に家をお持ちの方は、福岡県が作成したパンフレット「住宅をお持ちの皆様へ」を、ぜひご一読ください。
1. 空き家の適正管理は所有者等の責務です
空き家の管理は持ち主である所有者等(所有者または管理者)の責務であり、周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないようにしなければなりません。
また、その家に対して「抵当」や「差押」が入っていたとしても、管理する責任は所有者にあります。
空き家の適正な管理を怠ると、建物の老朽化による屋根・外壁の飛散や倒壊の危険性、不法侵入や放火の恐れなど、安全、衛生、防犯、景観の面から様々な問題が発生します。
もしも、空家等を放置した結果、建物が倒壊したり、物が落下して近隣の建物や通行人に被害を与えたりした場合、持ち主に対する損害賠償請求など、責任を問われることがあります。
2. 良好な地域環境のために必要なこと
空き家の所有者等は、次のようなことに心がけてください。
☑ こまめに換気を行い、建物に破損がないかなど、空き家の状態を確認する。
☑ 定期的に敷地内の除草や樹木の剪定を行う。
☑ 不審者が侵入しないように施錠などを徹底する。
☑ 外壁等の破損や倒壊の危険がある場合は、早めに修繕、解体などを行う。
☑ 長期間不在となる場合や、空き家にする場合は、ご近所や町内会の方に連絡先を伝えておく。
☑ 自分で管理できない場合は、業者などに依頼する。
3. 福岡県空き家活用サポートセンター「イエカツ」相談窓口
福岡県では、空き家活用サポートセンター、通称「イエカツ」を開設しています。
空き家の利活用に関して豊富な経験を持つ専門相談員が、空き家や将来空き家になりそうな住宅をどうすれば良いか、相談に応じる公的機関です。
ぜひ、お気軽にご相談ください。
※イエカツのチラシは、田川市役所2階の建築住宅課でも配布しております。
お問合せ先 電話番号
092-726-6210
受付日時
月曜日から金曜日(祝日除く)の9時から17時
窓口住所
福岡市中央区天神1-1-1アクロス福岡3階
(一財)福岡県建築住宅センター内
4. 危険な空き家の解体工事費補助制度のご案内
市民のみなさまの安全で安心な居住環境を確保するため、倒壊や建築部材の飛散の恐れがある危険な空き家などの除却(解体)工事にかかる費用の一部を補助する制度を創設しました。
※補助率3分の1 補助上限額20万円
※工事前の申請が必須です
死亡した所有者の名義のまま、相続登記がされていない空き家が見受けられます。相続登記をせずに放っておくことは、適切な管理がされていない空き家が増加している大きな要因の一つになっています。
相続登記については、「民法等の一部を改正する法律」の施行に伴い、これまで任意であった相続登記の申請が令和6年4月から義務化されます。
また、「正当な理由がなく」申請を怠ったときは、10万円以下の過料に処せられることになります。
申請先・お問合せ先
福岡法務局田川支局
住所 田川市中央町4番20号
電話番号0947-44-1431
6. 住まいのエンディングノートを活用しましょう
エンディングノートは、自宅を所有している人や将来の住まいに関する計画がある人に役立ち、空家の放置を未然に防ぐのにとても効果的です。
今後の住まいの処分や相続を家族にしっかり伝えたい人、住宅ローンが残っている人、施設への入居を考えている人など、住まいに関する将来的な決定を家族と共有したい人は、ぜひ作ってみてください。
7. よくあるお問い合わせ Q&A
Q1 近所の空き家の苦情や相談はどこにすればよいでしょうか?
A1 適切な管理がされていない状態にある空き家についての苦情や相談は、市役所の建築住宅課までご連絡ください。
現地調査のうえ、空き家であることが確認された場合は所有者等を調査し、適切な管理を行うよう助言等を行います。
ただし、所有者等の判明や状況により、改善されるまでに、長い時間がかかることがあります。
所有者等がわかる場合は、当人に連絡してください。
お問合せ先
田川市役所 建築住宅課 0947-85-7152
Q2 隣の空き家の樹木の枝や雑草が越境して困っています。
A2 樹木の越境については、基本的には民事(相隣関係)の問題です。市が切ることはできません。
同様に、雑草やツタ類などの繁茂についても、所有者等が自らの責任において行うことが原則となり、市が刈り取ることはできません。
所有者等がわかる場合は、当人に連絡してください。
民法第233条(竹木の枝の切除及び根の切取り) |
隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除させることができる。 隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができる。 |
空き家の所有者等がわからず、将来的な危険が予想される場合は、市役所の建築住宅課までご連絡ください。
Q3 隣の空き家の傾きや落下物などにより自宅等に被害が出そうです
A3 弁護士に相談してみてください。空き家の所有者等に対して、妨害予防請求等をすることができる場合があります。
Q4 空き家の所有者を調べたい
A4 法務局で、登記簿を調べることができます。
登記簿には所有者の住所と名前の記載があります。
ただし、登記簿の内容が最新の情報でない場合もあります。
詳しくは、弁護士や司法書士などの法律の専門家にご相談ください。
お問合せ先
福岡法務局田川支局 0947-44-1431
Q5 空き家に蜂が巣を作っていて困っている。
A5 蜂の巣の駆除は、建物の所有者等がおこなう必要があります。
田川市では、スズメバチの巣の駆除にかかった費用の一部を補助する制度があります。
お問合せ先
田川市役所 環境政策課 0947-85-7142
Q6 空き家に野生動物が住み着いて困っている。
A6 建物の所有者等が、住み着かないように対策する必要があります。
Q7 市から建物に関する管理のお願いの手紙が届きました、家をどうするかは所有者の自由ではないのですか?
A7 法律により、悪影響を及ぼさないように管理する責務があります。
空き家法等には、空き家の所有者等は周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう、適切な管理に努める責務が規定されています。そのため、市は、適切な管理がされていない状態にあると判断した空き家の所有者に対し、助言等を行っています。
なお、倒壊したり、資材等が落下したりするなどして、近隣の建物や通行人などに被害を及ぼした場合、所有者等は損害賠償など法的責任が問われることがあります。
Q8 死亡した者が名義となっている空き家の所有者は誰になりますか?
A8 「相続人全員が所有者」と判断される場合があります。
死亡後、数年にわたり相続登記により名義が変更されていない場合は、民法に基づく相続人による遺産分割協議等が行われていないことが予測されるため、相続人全員が所有者等となっていると判断される場合があります。
なお、市では、相続関係にある方を調査し、判明した親族全員を対象にして、空き家の適正管理をお願いしています。
Q9 相続した空き家を放棄したいのですが、どうすればよいでしょうか?
A9 家庭裁判所での手続きが必要です。
相続放棄するには、原則として、自分自身が相続人となったことを知ってから3ヶ月以内に被相続人の最後の住所地の家庭裁判所に手続きをする必要があります。
ただし、空き家だけを放棄することはできず、預貯金等の財産を含めた被相続人が有する全ての相続財産についても相続放棄の対象となります。詳しくは所管する家庭裁判所にお尋ねください。
お問合せ先
福岡家庭裁判所 田川支部
住所 福岡県田川市千代町1-5
電話 0947-42-0163
Q10 空き家を壊すと税金が高くなると聞きましたが、なぜでしょうか?
A10 土地にかかっている固定資産税の特例(税金の軽減措置)が適用されなくなるためです。
法律により、家が建っている土地(※)には、その土地にかかる固定資産税が軽減される制度があります。空き家に限らず、家を壊すことでその住宅が無くなった場合、軽減措置の対象から外れるため、税金が高くなることがあります。
なお、危険な空き家や管理不全の空き家で、市役所からの勧告に基づく改善が見られない場合は、家が建っているままでも土地の税金が高くなることがあります。(令和5年12月13日から適用されます)
詳しい金額の計算方法などについては、税理士などの専門家にご相談ください。
※ 住宅の敷地の用に供されている土地のこと。(地方税法第349条の3の2 専ら人の居住の用に供する家屋又はその一部を人の居住の用に供する家屋で政令で定めるものの敷地の用に供されている土地(中略)に対して課する固定資産税の課税標準は、第349条及び前条第11項の規定にかかわらず、当該住宅用地に係る固定資産税の課税標準となるべき価格の3分の1の額とする。)
あなたの家は大丈夫?
迷惑な空き家・危険な空き家は、全国的に大きな社会問題となっています。
いま住宅をお持ちの方だけでなく、親族から遺産相続で家を受け継いだ方や、空き家の近くに住んでいる方など、多くの方々にとって身近な問題です。
自分たちの家が将来、まわりに迷惑をかけないように、まずは家族などと話し合うことが大切です。
また、不安なことやわからないことがありましたら、専門家に相談してみてください。
未来の田川市を住みやすいまちにするために、持ち主の責任において空き家の適切な管理をお願いします。