世界記憶遺産(メモリー・オブ・ザ・ワールド)は、ユネスコ(国際教育科学文化機関)の三大遺産事業の一つであり、世界において歴史的に重要な記録遺産の保護と活用を目的に、平成4年から開始されました。
不動産を保護する「世界文化・自然遺産」、社会的慣習や伝統芸能などを対象とする「無形文化遺産」に加え、「世界記憶遺産」は、直筆文書、書籍、絵巻物、写真などが対象です。
世界記憶遺産には、アンネの日記、フランス人権宣言、ベートーベン第九交響曲草稿などの世界的に著名な記録遺産が登録されています。
日本では、これまで世界記憶遺産の登録例はありませんでしたが、平成22年3月に田川市と福岡県立大学が共同で登録推薦した山本作兵衛翁の炭坑記録画などの資料が、平成23年5月25日、日本で初めて世界記憶遺産として登録されました。
その後、平成25年6月に「御堂関白記」と「慶長遣欧使節関係資料」(いずれも国宝)が、平成27年10月に「舞鶴への生還1945-1956シベリア抑留等日本人の本国への引き揚げの記録(京都府舞鶴引揚記念館所蔵)」と「東寺百合文書(京都府立京都学・歴彩館等所蔵)」が登録されました。
山本作兵衛翁(1892~1984) 撮影:橋本正勝氏 |
山本作兵衛翁が描いた炭坑記録画 ヤマの米騒動4(警官総動員) |
→世界記憶遺産「山本作兵衛コレクション」