CKD(慢性腎臓病)とは…?
CKD(慢性腎臓病)とは、腎臓の働きが健康な人の60%未満に低下したり、
または蛋白尿が出るなどといった腎臓の異常が長期間続く状態をいいます。
そのまま放っておくと、人工透析や腎移植が必要となる恐れがあります。
成人の8人に1人はCKD患者と推計されており、近年新たな国民病として注目されています。
●CKDの定義●
(1)尿検査や血液画像、画像検査などで腎臓に明らかな障害がある。
(2)腎臓のろ過機能(eGFR)が健康な人の60%未満
(1)、(2)のいずれかまたは両方が3か月以上続く状態
★初期の頃は症状がないまま進行することが多く、
むくみや貧血等の症状が自覚できるようになった時には
病気がかなり進行している可能性があります。

腎臓のはたらき
腎臓はそら豆のような形をした握りこぶしくらいの大きさの臓器です。
腰のあたりに左右1つずつあります。腎臓の役割は主に下記の4つです。
(1)血液をろ過して、老廃物を尿として体外に出します。
(2)血圧をコントロールします。
(3)体の水分・塩分・体液量など体内環境を調整します。
(4)骨・血圧・血液を正常に保つホルモンを分泌します。
特定健診を受けましょう
腎臓は一度悪くなってしまうと、自然に元の状態に戻ることはありません。
しかし、早期治療や生活習慣の改善により、進行を抑えることは可能です。
予防には、何より早期発見が大切です!年に1回、特定健診を受診しましょう!!
★健診で腎臓の状態を確認しましょう
(1)尿検査
○尿蛋白 尿蛋白は通常尿中にはでません。腎臓の機能が低下してくると尿中にでるようになります。
○尿潜血 尿潜血は通常尿中には出ません。腎臓や尿管、膀胱、尿道などから出血があると,尿中に血液が混じるようになります。
(2)血液検査
○血清Cr Cr(クレアチニン)は老廃物の一種です。腎臓の働きが悪くなってくると、尿中に排泄されず血液中に溜まっていきます。
この数値が高いと、腎臓のろ過機能が低下していると判断します。
○eGFR 腎臓が老廃物を排泄する能力を示す数値です。血清クレアチニン値と年齢、性別から推算したものです。
この数値が60未満となると、腎機能が低下していると判断します。
○HbA1c 過去1~2ヶ月の血糖値の平均的な状態を反映した値で、血糖コントロールの状態が分かります。
血糖値が高い状態が続くことで、腎臓の血管は硬くなってしまい、腎臓機能の悪化につながります。
血糖値が上がると言えば糖尿病ですが、糖尿病はCKDを進行させる代表的な疾患の一つです。
糖尿病の合併症である糖尿病性腎症は、人工透析導入の原因疾患の第一位となっています。
CKDと生活習慣病は密接に関係しています
・腎臓は毛細血管が集まった臓器です。血液を「ろ過」して尿を作る
フィルターの役目をしています。「肥満」や「高血圧」「糖尿病」などの
生活習慣病は腎臓の毛細血管を痛め、腎臓の働きを低下させてしまいます。
また、CKDは生活習慣病を悪化させ、両者間には悪循環が生じます。
・CKDは心血管病(心筋梗塞や脳卒中,心不全など)の発症率を高め、
それによる死亡率も高めることがわかっています。
★生活習慣の改善が大切です。
生活習慣病の診断がされていなくても、バランスの良い食事や適度な運動、
禁煙など生活習慣を見直すことがCKDの予防や進行を抑えることにつながります。
田川地区CKD・糖尿病予防連携システム
田川市郡では人工透析導入となる患者さんの減少と心筋梗塞・心不全・脳卒中などの心血管病の予防を目的として、
平成30年4月より「田川地区CKD・糖尿病予防連携システム」の運用を始めました。
腎専門医とかかりつけ医と自治体とが連携し、CKDや糖尿病の重症化予防に取り組んでいます。
★詳しくはこちらをご覧ください。
田川地区CKD・糖尿病予防連携システム
(外部リンク)http://hospital.city.tagawa.fukuoka.jp/page716.html