祭りは,毎年5月第3土曜日とその翌日の日曜日に行われます。当日は各町内から出た11台の山笠が午後2時ごろ風治八幡宮前に集まり、神幸祭典執行の後、神輿(みこし)の出発に先立ち、「お立ちの獅子舞」が奉納されます。雌雄の獅子のまわりを美しく着飾った子どもたちが楽に併せて舞う中、大神輿を先頭にいよいよ出発です。JR田川伊田駅前広場で練りまわったのち、午後4時ごろ香春岳を望む彦山川畔に結集。神輿2台を先頭に、大バレンを立て、ひ色の旗差物も鮮やかな幟(のぼり)山笠や、鉦太鼓(かねたいこ)をとどろかす山笠11台が川を渡ります。
いなせな采配(さいはい)振りが台上から号笛などふきならす中、若衆たちが山笠を揺すりに揺すって気勢をあげ、互いに水しぶきを掛け合うシーンは川渡り神幸祭のクライマックスです。こうして対岸の御旅所へ到着。今度は「お着きの獅子舞」が奉納され、神輿、山笠ともに御旅所へ泊まります。 翌日は午後2時ごろより、御旅所広場でひとしきり練りまわったのち、午後3時ごろより、大神輿を先頭に再び彦山川へ入り、前日同様の壮烈な水合戦を行ったのち、神社に戻ります。
筑豊を代表するこの勇壮で、けんらん豪華な川渡り神幸祭が終われば、筑豊はもう初夏。この祭りを合図とするかのように、農家の苗代づくりが始まります。