急性期を前にしてさまざまな症状が出現する時期です。
精神症状としては、焦りと不安感・感覚過敏・集中困難・気力の減退などがあります。
うつ病や不安障害の症状と似ているため、初めての場合にはすぐに統合失調症とは診断できないことがあります。
また、不眠・食欲不振・頭痛など自律神経を中心とする身体の症状が出やすいことも特徴です。
初発の場合には、これだけで統合失調症を診断することはできませんが、再発を繰り返している場合には、前兆期の症状が毎回類似していることを利用すると、「不調の前ぶれ」として本人や周囲が早期発見するための手がかりにできます。
◎急性期
幻覚や妄想などの、統合失調症に特徴的な症状が出現する時期です。
この幻覚や妄想は、患者本人にとっては不安・恐怖・切迫感などを強く引き起こすものです。そのため、行動にまで影響が及ぶことが多く、睡眠や食事のリズムが崩れて昼夜逆転の生活になったり、行動にまとまりを欠いたり、周囲とのコミュニケーションがうまくとれなくなったりなど、日常生活や対人関係に障害が出てきます。
治療により急性期が徐々に治まっていく過程で、現実感を取り戻す時期でもあります。
疲労感や意欲減退を覚えつつ、将来への不安と焦りを感じます。周囲からは結構よくなったように見えますが、本人としてはまだ元気が出ない時期ですので、辛抱強く待つ姿勢がよい結果を生みます。
◎安定期
回復期を経て、安定を取り戻す時期です。すっかり病前の状態へと戻れる場合もありますし、急性期の症状の一部が残存して取り除けない場合、回復期の元気がないような症状が続いてしまう場合などもあります。 こうした安定期が長く続き、リハビリテーションにより社会復帰を果たし、治癒へと向かう多くの患者さんがいます。
しかし、この状態から前兆期が再度始まり、再発を迎えてしまうことがあります。
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(このページは厚生労働省「みんなのメンタルヘルス総合サイト|統合失調症」より転載しました。)