石炭記念公園にドシッとそびえたつ…これはいったい何!?
これは、炭鉱遺産の一つである、旧三井伊田田川鉱業所伊田竪坑櫓(いたたてこうやぐら)です。高さは28メートルで明治期の竪坑櫓として最大級の規模を誇り、平成19年10月には国登録有形文化財(建造物)に登録され、同年11月には経済産業省から近代産業遺産に認定されました。
「竪抗」とは垂直に掘られた坑道のことで、地下深くの石炭を採掘するために掘られていました。
地下深くから「ケージ」と呼ばれるエレベータを使って石炭を巻き上げ、人を昇降させます。そのケージを昇降させるためのものが「竪坑櫓」なのです。
そういえば、炭坑節の歌詞の中にも
「12時さがりのサマちゃんが ケージにもたれて思案顔♪」
(12時で仕事が終わった旦那さん(彼)が ケージにもたれかかってもの思いにふけっている)
という歌詞がありますよね。きっとこの竪坑櫓のケージでしょうね。
竪坑櫓は1909年に竣工されたもので、当時としては最先端の技術が導入され、製鉄所二瀬と三菱方城の竪抗とともに日本三大竪抗とうたわれました。
今ではケージが昇降することはありませんが、ぜひ近くで見て、その迫力を感じ、かつてケージがひっきりなしに昇降していた情景を思い浮かべに来てくださいね。
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